日常エウレカ、ヘウレーカ

智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。 兎角に人の世は住みにくい。

「ない仕事」の作り方

「ない仕事」の作り方(みうらじゅん 著/文藝春秋

 

「マイブーム」や「ゆるキャラ」の名付け親であるみうらじゅん氏が、自身の「マイブーム」を、自ら営業や制作すべてを自分一人で行う「一人電通」として広めたその手法(仕事術)をすべて紹介してしまおうと企画された一冊。

 

本書のまえがきによると、みうら氏は自身の仕事のことを、

私の仕事をざっくり説明すると、ジャンルとして成立していないものや大きな分類はあるけれどまだ区分けされていないものに目をつけて、ひとひねりして新しい名前をつけて、いろいろ仕掛けて、世の中に届けることです。

 

(『「ない仕事」作り方』より引用) 

・・・と説明しています。

もはや、「漫画家」や「イラストレーター」と言わない潔さもすごいですが、この説明を読んで、「なるほど」とも思います。

いままで、みうらじゅん氏が何をしている人かわからなかった方も、この説明には納得ではないでしょうか。

 

自分だけが気になる「マイブーム」に名前をつけ、自分で編集者に接待して仕事をもらう、あるいは広げ、世に紹介し、自分でイベントを仕掛けるなどして、「大ブーム」にかえていく、という「一人電通」としての一連の動きや考え方が、本書で詳しく説明されています。

 

第1章では、すでに「大ブーム」となった「ゆるキャラ」を例にあげて、当時のみうら氏がどうようにブームを仕掛けていったかを解説。

第2章から第4章では、みうら氏の過去の様々な仕事(マイブーム)を例にとって、そこから読み取れる仕事術や考え方などを紹介。

 

本書を読むと、「ゆるキャラ」など、みうら氏がネーミングして世に出た事象の裏には、しっかり、みうら氏の仕掛けや努力があるんだなぁ、とあらためて感心します。

 

「一人電通」というスタンスや考え方は、既にフリーランスで仕事をしている方は、近いことをやっているかもしれないですが、これからフリーで仕事を始める人間は見習いたいところですし、雇われて働いている人間も、随所でその考え方が参考にできると思います。

 

本書のあとがきで、みうら氏の「エロスクラップ」について、『本当の「ない仕事」』と説明しているのが、なにか感慨深いです。

 

ともあれ、すべての社会人が一読すべき一冊です。

 

「ない仕事」の作り方
みうら じゅん
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