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日常エウレカ、ヘウレーカ

智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。 兎角に人の世は住みにくい。

裁判傍聴の想ひ出 ~「母の愛情」編

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昨日、久々に裁判の傍聴に行ってきました。

横浜地裁です。

 

傍聴した内容は・・・

・殺人(裁判員裁判・審理)

覚醒剤取締法違反・住居侵入(新件)

・窃盗(判決)

覚醒剤取締法違反・窃盗(新件)

覚醒剤取締法違反(新件)

・強姦・強姦未遂(審理)

 

う~ん、やはり、覚醒剤がらみが多かったですねぇ。

審理内容として濃かったのは、やはり「強姦・強姦未遂」の案件なんですが、被告は救いようのないバカ者であることは言うまでもないんですが、被害者のトラウマを考えると、いくら関係者の名前を伏せても、僕なんかが、この事件を論じていいようには思えなかったので、別の案件を。


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印象に残ったのは、

覚醒剤取締法違反・窃盗(新件)」

の裁判でした。

被告は、過去に覚醒剤で前科4犯、その他、強制わいせつ・脅迫でも実刑、刑務所とシャバを出たり入ったりの人生のようです。

今回、重点を置いたのは、「窃盗」の方です。

 

被告は、勤務先の会社の車(時価200万円相当)を仲間と共謀して盗んだとのこと。

その際、被告は、勤務先の事務所から車のキーをとってきて、共謀者に渡し、共謀者が運転して車を盗みました。

その後、共謀者と車の行方は知れず、まだ逮捕されてません。

 

この窃盗で被告が受けた報酬は、「2万円」のみです。おそらく車は共謀者が処分して、利益を独り占めしたのでしょう。

 

で、逮捕された時に、覚醒剤も使用していて、この罪も合わせて起訴されています。

しかも、被告の勤務先のこの会社、社長がいい方らしく、以前、被告が刑務所に入る前に雇ってくれていて、刑務所から出てからも、また雇ってくれた、という非常に恩義のある会社な訳です。

まさに、「恩を仇で返す」とは、このこと。

しかも、たった2万円の為に、車の窃盗の手引きをした訳です。

まぁ、ヤミ金に返済を激しく迫られていて、いくらでもいいからお金が欲しかったという、被告の状況も理解できなくもないですが、何故、恩義ある会社の車だったのか?そもそも、窃盗自体がダメなことなんですけど。

 

でも、ヤミ金の返済を迫られているストレスから、覚醒剤は打っちゃってる。何gかわかりませんが、覚醒剤は8千円で買ったと言っていたので、その金はあったんですかね・・・

 

・・・と、まあ、ここまでは、事件の概要なんですが、僕が印象深いのは、情状証人として出廷した被告の母親のことです。

刑務所を出たり入ったりの救いようのない息子(被告)の為に、静岡から横浜地裁までやってきました。

でも、母親曰く、「親子ですから、最後は、私のところしか帰ってくるところがないと思うんです。」と、被告が出所したら、手元に置いて、保護・監督するつもりのようです。

裁判官が、「何度も裏切られて、世間には見捨ててしまう親もいるかもしれないですが、それでも、息子(被告)を監督できますか?」といったような質問に、「できます。でも、これが最後です」とキッパリ言い切りました。

被告には、内縁の妻とその連れ子がおり、その二人も出所後の被告と生活を共にすることを望んでいる様子。

で、母のいる実家に帰り、皆で暮らしながら働き、更生するつもりだと言います。

 

家族からの申し出の内容が出きった後、裁判官から被告に、「あなたは、今度こそ更生しなければ、すべてを失いますよ」の一言。

法廷は、しばし沈黙。

母親が証言台に立ってから、被告には、複雑な思いの表情がみられました。泣き出しそうにも見えました。

 

もちろん、有罪が確定的な被告の裁判の場合、情状面をどれだけ数多く訴え、また、出所後の生活の基盤や監督がしっかりしていて、再犯の恐れがないことを訴えて、なるべく刑期を短くするところに重点が置かれますので、実際に出所後に母親が、どれだけこの被告の面倒をみるのか?またみれるのか?はわかりません。その場しのぎで言ってる可能性も捨て切れません。

 

でも、わざわざ静岡から出てきた母親が、「出所後は自分のところへ帰ってこい。でも、今回が最後」と言ったのと、裁判官の「(更生しなければ)すべてを失いますよ」までの流れは、何かココロにぐっとくるものがありました。

 

裁判傍聴のマニアからすれば、「まぁ、よくある光景でしょ」と言われるかもしれませんが、なんか昨日は僕のココロが弱っていたのか、自分のしょーもない人生とリンクしてしまって、なんか泣きそうになっちゃいました。

あ、僕は前科も逮捕歴もないですけど。

 

ともあれ、様々な人生の縮図がみれて、いろいろ考えさせられることも多いので、裁判傍聴、お気軽に行ってみることをお奨めします。

 

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